湿度九十



            

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       湿度九十

     今夜
     湿度九十の部屋で
     ぼくの幸せは不在だ
     末広町のトンネルの奥に
     走り去ってしまった

     こんなときは
     黴びたタバコに火をつけて
     氷に一滴のウイスキーを垂らし
     炭酸水を注いで
     立ちのぼる仄かな泡と向かい合う

     泡は夜空の厚い雨雲を突き抜けて
     カシオペア座あたりで
     たちまち
     パチン、と弾けるだろう
     ぼくの幸せみたいに

     弾けた泡は雨雲を突き抜け
     湿度九十のぼくの脳に落下する
     タバコは燃え尽き
     グラスの中は溶けた生ぬるい
     一日が沈黙しているだけだ
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[ 2014/07/04 09:52 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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