寂しい酒



        寂しい酒



     酒場の片隅で盃に
     寂しい酒を注いだら
     丸い月が浮かんでいた
     僕の中に棲みついた猫が
     肋骨の間から
     髭を覗かせて
     金色の月を舐めている

     酒場は見知らぬ人たちで
     溢れているが
     僕と猫と月は寂しい

     昨夜 接吻をした人は
     電車に乗ってトンネルの闇に
     溶けこんで
     階段を登る僕の時間が
     駆け足で夜空に
     走っていった

     酒場の片隅で
     背中の猫と酒を飲んだ
     丸かった月は欠け
     盃の底にゆらゆら沈んでいる

     酒場は見知らぬ人たちばかりで
     異国の言葉を交わし
     僕と猫と月は寂しかった




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[ 2013/06/24 23:14 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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