ギャラリー・ラ・トゥリエ


昨日、ギャラリー、ラ・トゥリエ で、雪香さんの、一人芝居を観る。
「観る」と言うより「聴く」か「感じる」
と表現した方が適切か。

「雪香」さんはMIXのマイミクでずいぶん前に短歌が縁で
ときどき訪問したり、心に響く歌をいただいて、
このブログで紹介したりしている。
まったくのバーチャルの世界での付き合いであった。
メールのやり取りすらない。

それが、過日彼女の日記で
「アッシャー家の崩壊」を
チェロを弾きながら一人芝居を演じるというのを知って、
興味をそそられたのである。
作品の原作者は「エドガー・アラン・ポー」
「アッシャー家の崩壊」は昔(学生時代)に読んだような
記憶もある。
アラン・ポーの作品が大概は読んでいる。
一時期、ボクの詩に少なからず影響を及ぼしたとも思う。

今回の「雪香」の一人芝居の演目がポーの作品とあって、
しかも、チェロを弾きながらというから、
歌人がどのような舞台を演じるのか興味は深まるばかりであった。

ギャラリー ラ・トゥリエは東京メトロ銀座線、表参道駅を降り、
青山通りを渋谷方向へ向かい、骨董通りを左折してしばらく歩いて、
ハンテイング・ワールドを右折、左側にあった。
想像していたのとは違い間口の狭い奥行きのあるギャラーだった。
夕刻5時少し前さぞかし沢山の観客がいるのではないかという
ボクの思いこみとは違って、
入り口に二三人の女性の姿があるばかりである。
名簿には一人だけの記帳があった。

入場料を支払い中に入る。
ギャラリーの壁と天井は白で統一されていて、
入り口側と奥まった区画とがあり、入り口側の壁には
ガラスを使った作品と古い外国の書物の頁を
加工した美術品がかけられている。

奥の区画、右手の壁には鏡があった、
天井からは照明器具が淡い光を投げかけている。
いずれも、アールヌーヌーボー、アールデコの様式のようだ。

そして、そのもやもやとした灯りの下に、
チェロを抱きかかえた人がいた。
黒っぽい衣装は足元まであり、首のチョーカーも黒だ。
髪の毛はひっつめて後で束ね額の白さがきわだっている。
何よりも印象的だったのは、じっと動かないことであった。
その空間だけがまさに、これから語られるであろう陰鬱な
物語を暗示しているかのようである。

勧められたワインを口に含む。
渋さより甘さが身体の中を流れていく。
ふと、ここに誘った知人のことを思った。
所用があって来ることができなかった知人である。
心細さと所在なさのせいだろうか。

観客は思ったよりも少ない。
物語が始まった。
チェロの低い旋律が床を這ってくる。
雪香さんの声が流れてくる。

語りの合間にチェロが弾かれる。
それは当たり前のように始まり、
そして、唐突に切られて、
また物語が進行する。

古びたアッシャー家の邸宅とその傍らにある沼の
光景が再現されていく。

あっというまのひとときだった。
チェロの音色と声とが絡まり合っている。
そして、終わった。

最後に始めて「雪香」さんと挨拶を交した。
想像していたよりも若い。
不思議な雰囲気の人であった。
歌人とはそういうものなのであろう。
かつてボクを言葉遊びに誘ってくれた梶尾操さんという
歌人もそう言う雰囲気の人だったのを想い出す。

観客に同じミクシイの人でガラス工芸作家が
いらっしゃって、言葉を交した。
短歌、ガラス、詩、それぞれ何かを創り出す者たちには
少なからず共通するものがあるようだ。
そんなことを胸にしまい込んで、電車に乗った。







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[ 2012/09/23 19:50 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

一夜の夢

お葉書でお礼状を書きましたが、念のためミクシイも覗いてみました。

私はネット関係の方とアナログで会うことはあまりないので、お出でくださってびっくりし、嬉しかったです。


つたない舞台を、静かに鑑賞してくださった上、御紹介ありがとうございました。
[ 2012/09/24 22:08 ] [ 編集 ]

Re: 一夜の夢

雪香さん。

やっぱり、アナログが一番です。
チェロも、言葉もアナログ。
お葉書受けとりました。
花霞さんにもお会いできてそれもまたウレシイ出来事でした。

また、お会いしましょう。


> お葉書でお礼状を書きましたが、念のためミクシイも覗いてみました。
>
> 私はネット関係の方とアナログで会うことはあまりないので、お出でくださってびっくりし、嬉しかったです。
>
>
> つたない舞台を、静かに鑑賞してくださった上、御紹介ありがとうございました。
[ 2012/10/04 14:29 ] [ 編集 ]

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