渚にて



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             渚にて

              由比ヶ浜

         道は一直線に伸びていた
         並木道は地面に名残の
         はなびらを置いて
         水平線の彼方に
         ためらわず進んでいる

         狭い水槽に飽いたとき
         鱗の落ちた魚は
         忘却の底に沈んだ海を
         覗きこむ
         傷だらけの身をよじり
         閉じられた海を覗きこむ

         道は一直線に伸びて
         渚を突っ切り
         薄く曇る空と溶けあう海に
         消えていた
         しわしわと打ち寄せる波の間に
         はなびらが浮かんでいる

         狭い水槽は夢のことだった 
         潮風に吹かれて
         鱗の落ちた魚は考える
         途方もなく広がる海面に
         切れ切れの雲のあいだから
         細い光りの矢が
         突き刺さるのを眺めながら
         傷だらけの魚は考える

         潮騒を聞きながら
         眼を瞑り
         レース模様に縁取られた
         波打ち際に影を落とすと
         青い海の中を泳いでいる女がみえる
         目を開けると
         ひっそり海が横たわっているだけで
         また、目を瞑る
         泳いでいる女が待っているから
         水の中に消えた道を
         進んでゆく
         多分 溺れるな 
         と思いながら
         はなびらの浮かぶ海に
         進んでゆく

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[ 2012/04/19 16:06 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

溺れる....

そうかあ、溺れちゃうんだな。
いいですね、きっと、溺れるのも。
じわあっと沈んじゃうより、進んで溺れる方がおもしろいかも?
[ 2012/04/20 00:38 ] [ 編集 ]

Re: 溺れる....

TSUさん。
そうです。溺れるのです。
泳げるのに、溺れるのは哲学的なのです。
こういうと、我が家のマオは
「あんた、バカね」といいます。


> そうかあ、溺れちゃうんだな。
> いいですね、きっと、溺れるのも。
> じわあっと沈んじゃうより、進んで溺れる方がおもしろいかも?
[ 2012/04/20 16:01 ] [ 編集 ]

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