こぼれでる思い出は

こぼれでる思い出は


消してしまいたい過去を入れる
瓶が あるとするならば
あるとき 不意に
取り出してみたい
思い出の匂いが
詰まった瓶もあります

日常生活のほとりで
ぼくたちは 
にがい匂いのする思い出を
閉じこめた瓶の蓋を
けっして 開けたりは
しない

暮れなずむ五月の
丸い葉の裏側に
手のひらの時間が
さら、さらと
こぼれ落ちてゆくのを見るとき
ずーとむかし
そのひとと飲んだ珈琲の香りを
思い出す
遠い日の
ささやかな秘め事の匂いを

何を確かめよう?
また、瓶の蓋が閉まるまで
あれは どこで
あれは いつ
どんなことを 話したのか
あの喫茶店の 名前は
そのひとの 名は
何一つ思い出せないのに
しまい込まれた小さな瓶から
流れ出る珈琲の香り

あなたは 覚えていますか
顔も名前もおぼろげなひとよ
確かなことは
あの日も 今日と同じ
五月の夕暮れだった
と言うことですね
悲しくなるほど
言葉少ない二人でしたね
珈琲の香りがあなたを
包んでいましたね

あなたは 覚えていますか





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[ 2010/05/02 18:33 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

るんるん。

もし 神様がいて 私達のために存在するのだとしたら
苦い思い出にも フィルターをかけて
お酒に味つけてくれる時が あるような。
そんな時は、自分が酔いすぎて変な陶酔をしているのでしょうね。
でも、人は不思議ですね。
あの頃の空気とcoffeeの 香りだけで、一晩お酒が
飲めたりするのですから。(笑)
この詩、好きです。
[ 2010/05/02 19:13 ] [ 編集 ]

Re: るんるん。

caonnchiさん

悲しい酒?
アッハッハの酒?
含み笑いの酒?

いろいろありますね。
時間が、神様のフイルターが全てを解決してくれますね。




> もし 神様がいて 私達のために存在するのだとしたら
> 苦い思い出にも フィルターをかけて
> お酒に味つけてくれる時が あるような。
> そんな時は、自分が酔いすぎて変な陶酔をしているのでしょうね。
> でも、人は不思議ですね。
> あの頃の空気とcoffeeの 香りだけで、一晩お酒が
> 飲めたりするのですから。(笑)
> この詩、好きです。
[ 2010/05/02 19:36 ] [ 編集 ]

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