せつない季節

せつない季節
     <あるひとに贈る



たとえば マウスが 
つつつ
動いて 明日の季節を
開く
五月だ
わたしの五月は
弔いの季節
赤くひらいた薔薇の誘惑が
萎れて庭に墓地を作る

たとえば 誰かが訪ねてきても
夢うつつ
五月だ
私の五月はせつなさに埋まった
寂しい季節
旅立つはずの燕が
明るい朝の空で途方に暮れて飛んでいる

たとえば ゴミ箱へ
ドラッグしたくても できない
できごとが あるとしよう 
せつない わたしの声を 
聞いてくれる 季節が
五月だ
五月、五月
五月はためらいがちに現われては
かならず巡ってくる季節
せつなく血潮を沸騰させて
やがて、なにごともなかったように
去ってゆく
五月

生まれくるもの達に
子守歌を歌っている
五月
けれども、私の五月は
残酷な季節だ
たいせつなもの達を送り出した
せつない季節
弔いの五月
せつない新緑色の
五月



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[ 2010/05/01 22:14 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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