不在

      不在




      洗足池は道路の向こうの
      樹木の間に
      うっすらとあるようだった
      池を背にして歩く商店街は
      少し淋しかった


      坂を下り 左に折れて 坂を上り
      また 右に折れて 坂を下る
      あちこち 右へ行ったり
      静かな家々の間を
      ゆらゆら
      左に行ったりしながら
      そのひとを訪ねる


      訪ねたひとは不在だった
      いつしか陽が傾いて
      子どもたちの一群れが
      歩いて行くのが見える
      ひとの不在の傍らを
      湿気を帯びた冷たい風が
      吹いて去った
      「こんにちは」 と言いながら
      不在だったひとの声のように
      坂を下っていく


      ずいぶん昔に逝ってしまった
      ひとであった





所用で池上線洗足池駅で降りた。
洗足池には
昔、大学を受験するときに一晩お世話になった方の家があった。
遥かな昔のことなのでどこにあったかは覚えていない。
父の友人のその方は某新聞の記者だった。
後にその新聞社の役員になったととも、そして病を得て、
若くして亡くなったとあとで知った。
その方のことを思い出した日であった。
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[ 2011/10/21 00:46 ] 未分類 | TB(0) | CM(8)

洗足池

「洗足池」懐かしい響き~ 小学生の時、時々ボートを漕ぎに
行った事を思い出しました。
池は、今も以前のままなのかしら???
[ 2011/10/22 06:13 ] [ 編集 ]

人と風景と時間と

洗足池周辺の風景が見えるようです。
人と風景と時間ってすべてがいっしょになってひとつの空気感がありますよね。この詩を読んで人も風景も時間も大切にしたいものだなあと思いました。
[ 2011/10/22 11:09 ] [ 編集 ]

Re: 洗足池

トパーズさん。
そうでしたか、洗足池のあたりにお住まいでしたか?
洗足池はまだ健在?のようですよ。


[ 2011/10/23 11:04 ] [ 編集 ]

Re: 人と風景と時間と

TSUさん。

人と風景と時間それに<猫>もですね。


> 洗足池周辺の風景が見えるようです。
> 人と風景と時間ってすべてがいっしょになってひとつの空気感がありますよね。この詩を読んで人も風景も時間も大切にしたいものだなあと思いました。
[ 2011/10/23 11:06 ] [ 編集 ]

久しぶりにお訪ねしました。
洗足池、懐かしい響きです。
昔可愛がってもらった叔母といとこ達が住んでいて度々泊まりに行ってました。
今は叔母も亡くなりそこには誰も住んでません。
でも一度訪ねてみたくなりました。
寂しい風が通り抜けるかもしれないけど・・・
[ 2011/10/24 21:07 ] [ 編集 ]

海舟の墓

洗足池に勝海舟夫妻の墓がありますが、伯爵だとか公爵だとかやたら飾り立てる他の明治の元勲の墓に比べるといかにも江戸っ子の墓らしく、勝安芳墓だけでシンプルで好いですね。
奥さんは女好きな海舟に散々苦労したので、一緒の墓に入りたくないということで隣に並んでいます。
[ 2011/10/25 17:07 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

サチさん。
レス大変遅くなってごめんなさい。
洗足池以来ブログに触らない状態が続いていました。
亡くなった人が居た土地に行くのは淋しいものですね。
普段は忘れていることが忽然と姿を現す。
でも、行ってみるのも良いですよ。
洗足池に。


[ 2011/11/04 13:15 ] [ 編集 ]

Re: 海舟の墓

永遠のハードバッパーさん。
またまた、レスが遅くなりました。
お許しを。
勝海舟の墓があったとは知りませんでした。
どちらかというと、そのようなことにはトンと気に掛けない性格なのです。
上野の山や入谷の墓地には多くの有名人の墓があるようですが、
一度として出向いたことがありません。
ただ一度社会人になりたての頃、研修で大阪に行った折、
高野山に行ったことがあります。
それも一人で。
武将の墓が沢山あったのを覚えています。


[ 2011/11/04 13:19 ] [ 編集 ]

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