たばこ屋の看板娘


  昨日紹介したネコの写真で、たばこ屋のネコがいた。


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実に良い感じなのである。
これを見ていて、不肖山猫軒は昔のことを思い出したので、
今日はこれを綴ってみようと思う、


今は昔、時を遡ること五十年前、
山猫軒は東京の某大学の一年生になり、。
生まれて初めて、親元を離れ練馬区郊外の学生アパートの、
四畳半一間で暮らすこととなった。
アパートの周りは人家はまばらで、あちらこちらに畑が点在し、
神社が向こうに見えたりして、
武蔵野の風情を遺している。


その、アパートの近く、通り道に一軒のたばこ屋があった。
そして、たばこ屋の店先に赤電話があった。
今と違って電話は公衆電話しかない。
昔は、たばこ屋には赤電話がつきものだった。
親元に用があるときはそこから電話を掛けることになるのである。
その、たばこ屋に高校生ぐらいの娘がいた。
とても綺麗な娘で、我が学生アパートの不良学生、
(今はM音楽大学教授など)たちが犬を連れて、
アパートの向こうの道を散歩するたばこ屋の娘を見つけると、
一斉に窓から顔を出し、
「向こう横町のたばこ屋の~♪」とはやし立てるのである。
山猫軒はそのようなことには加わらなかったことは言うまでもない。
そのご、翌年には、そのアパートをと引き払い、
学校の近くの下宿に引っ越し、いつしか、そのたばこ屋の娘のことは
記憶の方隅にしまい込まれていった。


時は流れ、四年間の大学生活は終り、都内の某ゼネコンに就職した
山猫軒は社用で丸の内の丸ビルに行くことになった。
丸ビルのエントランスで、訪ねる会社を探していたとき、
通りすぎようとしていた一人の若い女性が、
つと、立ち止まり、
「山猫軒さんではありませんか?」
と声をかけたのである。
その女性の顔を見ると、思い出した。
あの、たばこ屋の看板娘だ。
二十歳になるかならないかの年頃で、ますます綺麗になって、
目の前で微笑んでいるのである。


そこで何を話したのか、覚えてはいないが、
その人の勤めている会社を僕に教えてくれたことは覚えている。
山猫軒も名刺などを渡したような気がする。
どうして、山猫軒の名前を知っていたのか、
ずっと、心の隅に引っかかっている。
後日、同じアパートにいた友人に会う機会があり、
このことを話したら、そのたばこ屋の名前を教えてくれた。
山猫軒はたばこ屋の名前すら覚えていなかったのだ。


だから、その気になれば、彼女の勤めている会社、
(大手の海運会社だった)に電話を掛けて、会うことも出来たのだろうが、
残念なことには山猫軒、その時は最初の妻との結婚式を、
数ヶ月先に控えていたので、そうはできなかった。
まだ、純真な時代であったのだ。


千載一遇のチャンスを逃した苦くも淡い思い出である。


<たばこ屋の看板娘>はこうして、トラ猫になっているとは・・・
再会を喜ぶべきか、おおいに迷う山猫軒なのである。


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[ 2011/09/08 16:15 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)

それはね

「たばこ屋の看板娘」は、山猫さんが猫好きだと知り、
猫に変身したのでした・・・
[ 2011/09/08 21:44 ] [ 編集 ]

それはね2

化かされたんですよ。うん、間違いない。
[ 2011/09/09 20:13 ] [ 編集 ]

Re: それはね

おしゃれな猫さん。

思わず探しに行きたくなる可愛さです。

[ 2011/09/12 10:16 ] [ 編集 ]

Re: それはね2

たぬきさん。

ネコにデスか?
トラ猫に?




[ 2011/09/12 10:17 ] [ 編集 ]

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