セピアカラー

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今日は、ここ、業平、東京スカイツリーの足元で仕事である。
土曜は仕事なのだ。
零細企業でも節電のため働く時間をズラシて「週末はお仕事」
というのはウソで、貧乏人は仕事があれば、
何時だって働かねばならない。
深夜であろうが、早朝であろうが、
放射能が降っても、恋人とのデートをキャンセルしても、
ネコが腹を減らしていても
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仕事、しごと、なのである。

昼前に現場から早々に退散したところ、
目の前に、ぬ~ぅット立ちふさがる影・・・は
東京スカイツリーだ。
見上げるとおもわず立ちくらみ目まいがするのである。

目まいの原因はこればかりではなく

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このせいかもしれない。


昨夜<ユロット>で東北の食材を食べて被災地を応援する催しがあった。
何かにつけて、酒を飲む口実を持ち出すところが、
酒飲みの面目躍如たるところである。
そこへ、中国への出張からお帰りのイシカワさんが、
お土産に中国の高級酒を持ってきた。
アルコール度数52%。
ショットグラスで一気に飲まなければ、とても飲めない。
香りはとてもよろしい。
馥郁(ふくいく)たる香りが口の中にひろがる。
が、やはり強い酒である。
それを、五杯ほど頂いた。
その余韻が東京スカイツリーの足元で甦る。
めまい・・・が・・・する。


いい、「言葉を」沢山もつことは、銀行に沢山、預金するよりもゆたかなことである。

と、寺山修司があるとき、ぽつりと呟いている。
そして、気の利いた「言葉」は、しばしば良質のブランデイを思わせる。
一人でしみじみ味わうのもいいし、二、三人で語り合いながら、
酔うのも愉しい。

とも、言っている。


この気の利いた「言葉」に僕たちはめったに出会わなくなった。
酒場でも気の利いた「言葉」は見あたらない。
国会中継などはブタやサルたちがブヒ、ブヒ、キャッ、キャッ叫んでいるとしか
思えないのである。


それでも、このようなブログなどで、綺麗な異国の石段の風景や、
夏椿の白い花、庭の草花の写真、窓から差し込む緑の陽の光と、
それらに添えられた宝石のような「言葉」
ボクのもとに送り届けられる。
そして、ボクもまたそれらへボクの「言葉」を投げ返すのである。




          セピアカラー


     <モネ>さんのご注文
                   


       押し入れの隅の箱の中に
       それは あった
       遠い出発から帰り着き
       どうして あんなに
       いそいだのか
       風の中に消えてゆく
       あかりを見送りながら
       濡れた悲しみに
       そのわけを
       語っていた


       わたしの 秘密
       わたしの知らない
       誰かの出発
       誰も知らない
       わたしの帰郷


       箱の中には
       泣き疲れて眠る子供
       明るく果てしない昼下りの家族
       草のうえのランチボックス
       吐く息が赤く頬を染めて
       始まったばかりの恋と
       あの人
       わたしの秘密


       出発の前のあの夜
       わたしはすべてのものを
       空っぽの箱にしまいこんだ
       かぞえきれない明日のために
       ひとつひとつ
       指先に昨日のことのように
       思い出しながら
       まだ 生き生きと色づく
       わたしの過ぎた日々を
       置いたのだ


       いま、わたしは箱のような
       夕暮れのあかりが差し込む部屋に
       しずかに座っている
       古い写真のなかに座っている
       色をなくし わずかに赤茶けた
       空気の中に浮かんでいる
       黒々と口を開けた箱から
       ひらひら飛び立つ
       思い出に埋もれていく
       セピアカラーの
       あの日々に
       埋もれていく
















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[ 2011/07/02 18:50 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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