今日の夕餉

昨夜、御徒町の<山と谷底>で酒を呑んだ。
店名を<谷底>に変えるよう薦めたくなるほど、
客がいるのを見たことがない暇な店である。
そこの酒に毒でも入っていたのか、携帯が壊れた。
数日前に入谷の<侘助>でしたたか酒をやっての帰りの地下鉄の階段で、
ポケットから携帯が転がり出てしまった。
幸いその時は裏のカバー紛失、機能異常なし、だったが、
歳を取るとその影響は後から現れるらしい。
僕の携帯も持ち主と同じで老いぼれだった。

携帯が通じないと、僕の怖い恋人に<山と谷底>で酒を呑んでいたことは、
知られずに済むけれど、
何故、通じないのか、という執拗な追求の尋問が待っている。
あわてて、家に帰りつくやい否や、家デンで恋人の携帯に電話するも、
もう、怒りモード突入で出てくれません。
やむえず、留守電に良いわけを吹き込んで寝た。

今朝早く電話ショップに駆けつけて、
無事最新機種を入手。
使い方が解らず呆然自室である。
壊れた携帯だって機能の3%ぐらいしか理解できなかったのだから、
買い物は失敗。





今日の夕餉
  





日溜まりの
欠伸を浮かべたカボチャのスープ
走って消えた
子供の声と 
熟さないまま落ちた
青い林檎のサラダ
メインデイッシュは
砂の海で溺れた
駱駝のため息

食前酒には
ラベルのない明日という酒を

今日の夕餉は
見失った花を飾り
重たいテエブルと
向かい合う

きのう
おととい
あした
あさって
食べるたびに 消化される
ぼくの 時間だ







スポンサーサイト
[ 2010/04/17 16:36 ] 未分類 | TB(0) | CM(3)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2010/04/17 21:05 ] [ 編集 ]

No title

ごめんね。
ものすごく おもしろい!
愛すべき人よ、君の名は 「恋人」(笑)

携帯3%しか使えない山猫さんならではの
詩の料理店ですね。
時間がゆっくり動いているような気がしてきます。
[ 2010/04/18 13:39 ] [ 編集 ]

Re: No title

時間はゆっくりしてくれません。
引き算の人生ですから。

せいぜい、人助け、訪問介護だと思って、
ご来店下さい。
僕も、これからcaonchiさんのところに、
遊びに参ります。
[ 2010/04/18 14:36 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://isoisomao.blog3.fc2.com/tb.php/37-0b72718e