行方不明になった猫

          行方不明になった猫



        僕は夢うつつ
        灰色の猫があくびをしながら
        海を渡って行くのを見ていたのだ
        それはどこの海だったか
        あるいは大きな湖だったか
        春の溜まり水だったかは
        もう、思い出せない

        そういえば その猫は
        ふらりと現われて
        また ふらりと居なくなった
        陽炎のように曖昧な
        記憶の奥座敷に
        いつまでも座り込んでいる
        あの猫に似ている
        行方不明という札を首に付けて
        鼻水をすすりながら
        とぼとぼ歩いていたあの猫だ

        僕は夢うつつ
        いつしか灰色の猫をつれて
        空に浮かんだ海を渡り
        もう、自分が猫なのか
        ヒトなのか そんなことは
        どうでもよくなって
        ぶくぶく小さな泡を
        ぶくぶく大きな泡を
        立ち上らせながら
        行方不明の札をさげて
        果てしない海底へと
        沈んでいったのだ




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[ 2011/03/10 16:05 ] 未分類 | TB(0) | CM(3)

今日の詩、特に良いですね~~
って、ミー子は詩のことな~んにもワカランのだけど。
ただ、情景が浮かんで、猫と一体化して優しいような
切ないような・・・涙がこぼれそうになった。
  ↓ここ
>行方不明という札を首に付けて
    鼻水をすすりながら
      とぼとぼ歩いていたあの猫だ

又、素敵で、詩的なワールド聞かせて下さいね。

[ 2011/03/10 22:11 ] [ 編集 ]

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[ 2011/03/11 23:11 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

TOKKOさま。

ありがとうございます。
幸いにして被害はありませんでした。
ただ、薄情なネコの本性を知ってしまったのは寂しい。


[ 2011/03/12 16:34 ] [ 編集 ]

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