茶色の靴を履いて

     茶色の靴を履いて



    じっと 息をこらして
    白い壁を見つめていると
    どこかに出かけたくなるのだった
    何日ぶりだろう
    靴を履くのは
    この前 脱ぎ捨てた
    茶色の靴の
    片方が扉の隅に
    転がっている

    ギクシャクする呼吸を
    ととのえると
    これから行く風景が
    手に取るように
    現われてくる

    ひだり、みぎ、
    ひだり、みぎ
    かかとから思いでのほとりに
    歩み出す

    ぼくは 夢をみている
    夢を 僕はみている
    みている
    みている

    覚醒した静寂の中で
    水面に広がる
    波紋のように
    茶色の靴のみる夢が
    今朝の寝汗のように
    流れ出す
    しみじみと
    しみじみと




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[ 2011/03/07 22:51 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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