四月 寒い春


四月 寒い春




四月に僕はひとりになった
四畳半一間のアパートから
学校へ通い始めた
春だった
満員電車に乗って
ひとりで・・・

四月 僕は上京してきた母と
レストランで飯を食った
それは
春の夕暮れ時だった
母はテーブルの上の煙草を
そっと 僕にすすめた
しずかに微笑みながら
<吸ってるんでしょう?> と

四月は寒い春だった
巣から離れたひな鳥が
初めて見るまぶしい空の冷たさだった

四月は寂しい春だった
モノクロームの一枚の
色褪せた写真の中で
僕も友人達も
尖って痩せた笑みを浮かべていた

四月は悲しいほど
どこまでも広がっている空のような
夥しい夢を生む春だった
そして
夢は 夢のままに

それから
それから
また 四月は寒い春
それから
それから
また 四月は寂しい春


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[ 2010/04/11 09:44 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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