アメ横のフクロウたち

カフエバー<ユロット>は御徒町、アメ横から数十メートルの所にある。
酒飲み山猫軒が最近足繁く通う酒場である。
「会員制」というのがいい。
厳重な審査と面接によって選ばれた特別な人間だけが、
ここの客になれるのだ。
実に名誉なことである。
審査の基準は幾ら訊ねても教えてくれない。
スーパーシークレット、国の官房機密費よりも非公開である。
全てはママの「YAYOI」さんの胸の内にしまわれているのである。
山猫軒の推察ではそもそも、「審査基準」なるものが、
実在するのかどうかはかなり怪しい。
「YAYOI」ママの好きなタイプ、嫌いなタイプ、
太っ腹か、ケチか、少しはカネは持っているか?
酒は飲めるのか、「ママが一番綺麗」と素直に言えるか?
そして、既に会員となっている常連達がOKと言うかどうか。
まあ、こんな所のような気がする。
大体、不肖山猫軒が有難くも会員になれたということは、
はなはだ、曖昧な選考基準である証拠であるのだ。

前置きが長くなったが、その<ユロット>に昨夜もおもむいた。
「会員制」の文字が埋め込まれた重たい扉を開けると、
カウンターはすでにフクロウたちで満席であった。
長老格のSさんはカウンターの中にいる。
聞けば「一日店長」であるという。
エプロンなんかしちゃって、なかなか板に付いた店長ぶりである。
職業を間違えたか?、Sさん。
我が輩はテーブル席に座りカウンターから移動してきた鰐淵クンと、
飲み始めた。

次々とフクロウたちがやってくる。
フクロウと言えば台東4丁目の佐竹商店街、(御徒町であるが)
のシンボルマークはふくろうである。
江戸時代、秋田佐竹藩の上屋敷があったところから、佐竹といわれている。
そして、昔その屋敷にフクロウが住み着いていたそうで、
それがシンボルマークのフクロウなのである。
昔から御徒町にフクロウはなじみの鳥といえよう。
昨夜はそのフクロウたちで大にぎわいの<ユロット>であった。

♀、♂、太ったの、痩せたの、禿げたの、白髪頭、
ちょっといい女、若いの、年寄り、サラリーマン、
自営業者、職業不詳。
日本の縮図である。
酔っぱらって飛ぶこともできないフクロウたちの夜であった。
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[ 2010/09/04 13:15 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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