月夜には

         月夜には



       月夜にはぐるっと
       池を廻って帰ろう
       きみの耳に夕暮れの風が
       ささやく
       都会の一日がこうやって
       終わってゆくのは
       ぼくがここに来る前からの
       ことだったのだろう

       みじめな運命のような影が
       どこまでも
       付いてくる
       先になったり
       後になったりしながら

       銀色の月が空の池に
       浮かぶまでには
       もう少し歩き続けなければ
       ならないし
       ぼくの関節は乾いた
       コキ、カキ、コキ、カキ
       白い不幸な音を落とし
       気づかれないように
       ひっそり優しく
       うずくまる闇は少し先の
       水族館の水槽にある

       月夜にはぐるっと
       池を廻って帰ろう
       空の中の池を
       廻って帰ると
       壁の中で
       祈るようにきみの日常を折るのだ
       どこまでも、折って、畳んで、
       見えなくなるまでも
       窓から差し込む月明かりの中で
       ぼくはきみの時間を折るのだ







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[ 2010/08/20 15:58 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

Re: 月夜

canchiさん。

飲み屋の帰りは酔っぱらって口がきけない。
もう、とっくにジジイですよ。どうせ!

[ 2010/08/21 17:41 ] [ 編集 ]

ジジィ じゃないよ。

月夜の帰りは
いつも ぐるっと廻って
玄関の 桜の老木を見上げます。
「さくらちゃん」
[ 2010/08/21 22:02 ] [ 編集 ]

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