夏の夜更け

       夏の夜更け




       まだ やわらかい空気の下で
       地平線が揺らめいていたとき
       湿原に立つ枯れた木の梢に座る
       一匹のシマリスを見たとき
       北国の閃光のような夏は
       薄く閉じたまぶたの裏に潜む

       自転車のペダルを踏んで
       胃薬を買いに
       輝く真昼の都会を
       走り行くとき
       古いアルバムから剥がれた
       色褪せる幾枚もの皮膚が
       ぼくの後を追いかけて くる

       夕暮れの黒ずんだ森の声を
       布に湿して
       こどもはランプの火屋をみがいた
       まだ すや、すや、
       寝息をたてるには早かったったから
       ちいさな手が
       硝子の曲線の内部を愛撫する

       ふいに、雷鳴と共に雨がふりだす
       桜の老木には慈雨だ

       セピア色の去りゆかない話と
       ここにある広げられた憂鬱が
       捻れながら夜更けの
       果てしない虚空に
       消えてゆく
       はげしい雨音と共に流れて行く
       震える鉛筆のかすれた線のように
       封じ込まれた
       嗚咽のように
       消えてゆく



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[ 2010/07/25 17:05 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)

幼い頃と現在の情景の交錯

       自転車のペダルを踏んで
       胃薬を買いに
       輝く真昼の都会を
       走り行くとき

何気にリアルですね.....
[ 2010/07/26 21:08 ] [ 編集 ]

そーそー!

山猫軒殿は 胃が悪いのですか?
自転車にも 乗れるのですか?(爆)
[ 2010/07/27 12:44 ] [ 編集 ]

Re: 幼い頃と現在の情景の交錯

shirayukiさん。

リアルそのものです。
土曜日の山猫軒の生活の一こまですから。

非日常的情景と
現実を混ぜ合わせた迷作であります。
[ 2010/07/27 13:41 ] [ 編集 ]

Re: そーそー!

caonnchiさん。

頭痛薬=頭が悪い
となるから、胃薬にしました。
太田胃散と具体的に書くことは流石にはばかられました。
性格の悪いネコと、我が儘な恋人を相手にしていると、
頭痛と胃袋に障害を発生させます。

炎天下の夏の草刈りは脳に障害を発生させますから、
くれぐれもご注意されますよう。

> 山猫軒殿は 胃が悪いのですか?

> 自転車にも 乗れるのですか?(爆)

補助付の自転車ではありませんよ。
りっぱなママチャリに乗って颯爽と東京の街を駆け抜けています。
[ 2010/07/27 13:47 ] [ 編集 ]

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