ほおずき

             ほおずき



          赤く薄い皮膚を切り裂いたら
          夏の雨の中を泳いでくる
          おんなが見える

          一番下の すこし
          小ぶりの緑色の静脈をうかべた
          赤い袋に
          浅草寺の厨から ゆらぎ
          よろめきでる香の匂いが
          すがりつく

          一本の細い茎の
          列なる赤い房に
          生まれる前の夢が
          風鈴の音となって
          まといついた煩悩を振り払う

          するどい爪の先で
          固く閉じたふくろを
          割り裂くとき
          不自然なまでに赤く色づいた
          夏のこどもたちが
          ぱら、ぱら、と
          汗ばみながら転び出て
          ふたたび
          うまれるための準備をする
          夏の花の房をつけるために
          しずかに
          うまれるための準備をする
          夏のこどもたち










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[ 2010/07/09 20:48 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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