夏の黄昏

      夏の黄昏



    どこかへ行きたい気分だっだ
    酒を一杯飲みたい気分だった
    一人じゃなくって
    誰かと一緒に
    つまらないことを話ながら
    静かな酒場で飲みたかった

    亭主は何度目かの手術で
    血の気の失せたひげ面に
    無理して作る小さな笑い

    夏の火照りを残す坂道を下り
    やりきれない一日の黄昏を
    背中に背負い込んで
    解けなくても
    解けない結び目が影をつくる

    どこかへ行きたい気分だった
    酒を一杯飲みたい気分だった
    猫のように
    だまって話を聞いてくれる誰かと
    たわいもないことを言いながら
    静かな酒場で飲みたかった


昨日夕方、不意に携帯が鳴った。
「侘助」とある。
日曜日、「侘助」の亭主は入院手術と聞いていたから、少し不安であった。
電話は女房のスミちゃんからだった。
「今、病院から出て歩いているところだけれど、先輩何してる?」
そう言うことで、先日「侘助」に来てくれた「豊寿司」に行こう、
というので、急ぎ家を出て、一緒に豊寿司へ。

旦那の手術は無事終了とのことで、まずはビールを飲み干す。
一人酒は嫌だと、僕が相手。
ほろ酔い加減で夏の夜は過ぎて行く。

明後日には退院というから、一安心である。
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[ 2010/08/30 21:08 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)