猫の手紙



      猫の手紙


      我が家の猫は ときどき、
      手紙をくれる
      それは、猫語で書いてあるから
      ぼくには 解らない

      我が家の猫の手紙は
      くれる毎に長くなる
      最初は一語だったのに
      いまでは、長々と綴られている

      我が家の猫が 書く手紙を
      読み取れない僕が悲しい
      いっそ、入れ替わったら と
      思案するけれど

      我が家の猫に ぼくが書く手紙を
      どうやって 読ませよう
      猫語を知らない ぼくと
      人間の言葉を知らない猫に

      ときどき、街で会う友人たちが
      猫になる
      猫語を知らない ぼくは
      途方に暮れるばかりだ

      そして、
      友人たちと酒を呑むとき
      ぼくは猫になる
      年老いた猫になる

      我が家に一匹の猫
      猫からの手紙は
      立派な書冊になって
      いつか読み解かれる日が
      訪れるのを待っている


これは随分前にブログに載せたものである。
この頃は多くの詩を載せていた。
「誌の料理店」だからと。

いつしかブログの更新もまばらになり、詩を書くことも少なくなってしまった。
また、書いてみようかな、などと思いながら、
古いものをのせてみた。

可愛かった猫も今はもう、見事にな肥満猫になり、
日がな一日寝ている。
齢14歳、執事(山猫軒)が先か、猫が先に逝くのか、
ぼんやり考えているのである。



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[ 2017/07/29 20:15 ] 未分類 | TB(0) | CM(1)

いい詩ですね

初めて読ませていただいたような気がしますが、流石なものですね。
猫語は兎も角として、手話ができるようになってますます世界が広がっているはずで羨ましい限りです。
[ 2017/07/30 15:42 ] [ 編集 ]

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